私たちはグラフィックデザインという「伝える」ことを生業としています。
想いや思考をみえるカタチにし、相手のココロを動かすこと。
ココロが動いてこそ、次の一歩につながる。
デザインとは、みんなが「よい方」に向かうための最大の道具。
この道具をより多くの人に使ってもらえたら世の中きっと、オモシロユカイなことが増えそうだ。
そんなでっかくも漠然とした想いから、実験的にはじめたのがエゴコロサロンです。
ほんとうに小さな一歩。
それでも、
ささやかな夢も、でっかい夢も、想像することからはじまり、
少しずつでも「創っていく」ことで、漠然とした考えに輪郭があらわれ現実になるのだと信じています。
ここから、何かがはじまるかもしれない、うまれるかもしれない。
何ができるかわからない、見えない先を、一緒になってワクワクドキドキしたい!
エゴコロサロンの「エゴココロ」は絵心、笑心、会心を大切に
「そうぞう」のきっかけをつくることを目指しています。
いつでも、どこでも、だれにでも—。
デザイン発想が身近になれば、少しずつかもしれないけれど、きっとあなたの世界を広げてくれるはず。
「よい方」へ向かうために想像し、創造し、伝える。
豊かなくらし、ステキなコミュニケーション、よりよい仕事のヒントになることを願って。
エゴコロサロンはデザイン事務所、アトリエ・カプリスが運営しています。
デザインを身近に親しんでもらうためのサロン&ワークショップや、
もののミカタを拡げたり、大切な想いを引き出すためのツールのデザインなどを行っています。
この活動ををきっかけに、新たなコラボーレションが生まれ、新しい仕事づくり、はたらきかたのデザインなど、
分野枠を超え、多種多様な活動へと広がっています。
活動の詳細はブログ、インスタグラムにて。
★caprice note
https://egocoro-salon.tumblr.com/
エゴコロサロンの始まりのお話について、メールマガジン第56号を抜粋して掲載しています。
「デザイン」という、とらえどころのない、こたえのない世界ではありますが、
長年、デザイナーとしてお仕事をさせていただいた自分なりの経験をもとに綴っています。
少しでも、みなさんとカプリスとの距離が縮まれば嬉しいです。
ご意見、ご相談、ご感想、いつでもお待ちしています!
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エゴコロサロン@MAIL
第56号 2012年7月2日発行
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エゴコロサロンを語る。
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このメールマガジンでは、いつもはデザインについてのお話を中心にしていますが、
今回は、今まであまり語ることのなかった「エゴコロサロン」について、
一度きちんとお話ししておきたいと思います。
「エゴコロサロン」は、デザイナーに限らず、いろいろな方を対象に、
「豊かなくらし、すてきなコミュニケーション、よりよい仕事」のヒントとして、
「デザインの考え方」を活かしていただくためのサロンです。
今のところ「メールマガジン」と「ワークショップ」の、
2つの形態で、みなさまにいろいろなお話を提供しています。
はじめは「デザインのやり方を一般の方にも分かりやすく教えよう」
と思ってスタートしたのですが、やっているうちに少しずつようすが変わってきました。
「教える」というよりも、
「誰もが持っているデザイン心を引き出す」といった感じでしょうか。
そんな場を提供するのが、今のエゴコロサロンなのです。
こうなった経緯は、そもそもエゴコロサロンを始めたきっかけから話さなければなりません。
■デザイン業界のピンチ
「デザインのやり方を教える」と、かなり上から目線的(笑)な始まりですが、
実はこれは、自分たちの危機感が背景にあったのです。
それは「広告離れ」。
昔のように、「大量にものを作って、たくさんの人に、じっくりと売っていく」ような
商売のあり方でしたら、広告は有効な手段でした。
しかし現代のように、「小さい市場に向けて、できるだけ色々な種類を、できるだけ早く売り切る」
というような商売のカタチになると、広告はあまり必要とされず、
むしろ「デザインの考え方」のみが大切な概念になってきました。
パソコンソフトが進化して
「自分でデザインできる環境」が整ったことを考えると、
「デザインは自分で作るから、デザインのやり方を教えてほしい」
という人や組織が増えてくるのです。
これはデザイナーにとって、あまり好ましい状況ではありません。
なぜなら「仕事」が減るからです。
でもアトリエ・カプリスは、この状況を「面白い」と思いました。
何か新しいチャンスがありそうな気がしたのです。
こうして2010年3月、メルマガ第1号の発行を皮切りに、
以後、さまざまなワークショップや、コラボイベントなどを開催するに至りました。
■コミュニケーションを中心に
エゴコロサロンのワークショップは、いわゆる「デザイン系」のものと違う点があります。
それは「コミュニケーションに軸足を置いてる」ということ。
たとえば「名刺を作ろうワークショップ」の企画にしても、
かっちょいい名刺の作り方ではなくて、
「その名刺デザインでどういうコミュニケーションができるか」をテーマに、
疑似名刺交換会を行なったりします。
デザインを「もの」としてではなく、関係性をつくるための「道具や方法」と位置づけたのです。
■様々なスキルアップに
そんな企画をいくつかやっているうちに、
「どうやらデザインという方法は、もっともっと色んな人の悩みやスキルアップに貢献できる」
と確信できるようになりました。
たとえば
・社会の中での自分のポジションを発見する。
・ゆたかな毎日を過ごす「消費」のあり方。
・チームにおける意見の発掘やとりまとめ。
・新しいものを発見する視点。
・分かりやすく伝えるという基本スキル。
…など、
「社会で生きる上で欠かすことのできない力」です。
もはや「エゴコロサロン」の「絵心」は、糸へんがなくなって「会心」になったと言えます。
■デザインの上位概念へ
第一段が「デザインのハードルを下げる」こと。
第二段が「デザインの概念を広げる」こと。
エゴコロサロンは、このようなステップを踏むことで、
いろんな「新しいつながり」が生まれてきています。
まずひとつが「学びの世界×デザイン」のコラボレーションである「un labo.」。
やはり「人とのかかわり」というものが根底にあります。
もうひとつが「まちづくり×デザインワークショップ」。
多様な人々の相互理解を含めた「社会のかかわり」が軸となります。
そしてもうひとつが「チームメイド・デザイン」。
ワークショップによる広告づくりで、「組織間のかかわり」「企業と顧客のかかわり」をデザインするものです。
こうやって考えてみると、「デザインを教える」と大上段に構えていたことに赤面します。
なぜなら、こちらも参加者から学ぶことも多いのですから。
そうなんです。
「デザイン」の世界は、これまでの「伝達の一方通行」だけではなく、
「相互作用」や「思考のスクラップ&ビルド」をもたらせる、面白い道具なんですね。
■そして、メルマガ
一方、メルマガには20年以上も培った、デザインのノウハウを定期的に発信してきました。
基本的には学校で教えるためにつくった「マニュアル」を再編して、
デザインを分かりやすく伝えているつもりですが、これからはもっと、サロンを通じて「気づいたこと」や
「考えたこと」「経験したこと」を伝えていければと思います。
少し実用性が薄くなる分、より多様な方の、多様な活動の「ヒント」になるような内容を目指します。
いろいろな方に
「豊かなくらし、すてきなコミュニケーション、よりよい仕事」のヒントとして
「デザインの考え方」を活用していただくことが、エゴコロサロンの目的なのですから。
アトリエ・カプリス代表 岩田直樹